タロット占い大アルカナ意味一覧表‐挫折しない独学タロット講座その10

みなさまこんばんは!
記事が長いことでおなじみ占い師の浅野輝子です。

これまで私は『タロット占いを学ぶ』カテゴリの記事で、
「1枚1枚をよーく眺めてね。あなたの感じることが正解だからね~」と繰り返しお伝えてきました。

しかしながら、ある程度カード1枚1枚に対して自分なりにイメージが出来上がってきた(理解が進んだ)のなら、他の占者がカードをどう解釈しているのかを複数の本やサイトを参照して「意味」の引き出しを増やしてゆくと、より一層確かで、より一層豊かなリーディングができるようになります。

インスピレーションも意味も、どちらも同じくらい大事。めちゃくちゃ大事。
(※実際、タロットには「異なる性質の物のバランスを取れ」というメッセージが度々描かれています)
ですが意味に囚われると詰むのでインスピレーションを入り口にして、改めて意味を抑えよう!というわけです。

そういうわけでどんなわけで、今日は大アルカナ22枚の意味一覧表を大公開!
twitterLINE@でご提供中の自動ワンオラクル(無料)は、「わかりやすい」「しっくり来る」と大変ご好評いただいています。
みなさまのご参考になれば幸いです。

おっと、はじめに大事なことをことわっておこう。

逆位置は、そのカードが持っている正位置の要素が「過剰で本質を見失っている」「過小で本質が見えていない」「経過(もうその段階は十分にやってて、次のナンバーのカードとの間の状態)」「今はそのタイミングではない」と捉えると良いです。

そのため解釈例として上げている短文は一見矛盾したものが並んでいるように感じるかと思います。

どれがふさわしいかは、「その問題の状況」「その問題の“過去”の状況」「以前の占いの結果」複数枚展開なら「周りにどんなカードが出ているか?」などから総合的に判断しましょう。

また、リーディング例はアドバイス面を前面に押し出したので、正位置、逆位置を問わず適用できる内容となっています。

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【1 THE MAGICIAN(魔術師)】の意味

魔術師などと大きく打って出ましたが、さも位の高そうなこの服はフェイク。
彼は特別な力を持っておらず、先々の明確なプランを持ち合わせていないただの大道芸人(Juggler)です。

しかし侮るなかれ。手元には金貨・剣・聖杯・棍棒、四大元素を示すすべてのスートが集っており、頭上には可能性を示す無限マークがついています。
咲き乱れる情熱の赤い薔薇や神聖を表す百合は内なる生命力の表れ。

人は思い切って行動しなければ何も得られない。
成功すれば拍手喝采。失敗すれば笑い者。一か八かの大勝負。

華やかなスタートを感じさせるこのカードは、
チャレンジ、器用、チャンス、創造、才能、可能性、 独創性、変化、奇抜、実行力
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「ファーストチャレンジ」「器用な立ち振る舞い」「創造せよ」「才能を発揮せよ」「とにかくやってみよう!」
逆位置の解釈例
「目標が高すぎる」「不向き」「失敗覚悟でいけ」「プランは実現しない」「才能を認めよ」「奇抜で理解を得にくい」

リーディング例

『相手の気持ち』に魔術師(マジシャン)が出た!

正位置 「期待している」「テンションが高い状態」「勢いがある」
しかしながらこの勢いは最大瞬間風速! 持続性に欠ける点を抑えておきましょう。芽吹いたばかりの心を大事に育てるつもりで接して。

逆位置 「自信がなく消極的」「ピンときていない」「少し引き気味」
“ふーん、今はそうなんだな~”とやり過ごしてください。恋愛でお悩みの方、決して自分を責めないこと。相手の心は様々な要因が絡み合って動いています。決してあなたのせいじゃない。

『過去』に魔術師(マジシャン)が出た!

正位置 現在や未来に芳しくないカードが出ているなら、タロットが「あのときの輝きはどこいったん!?」と問いかけているのかもしれません。

逆位置 出鼻をくじかれるような出来事が過去にあって、行動を起こすのが怖くなっているのかな、と感じます。克服してほしい~!

『現在』に魔術師(マジシャン)が出た!

正位置 目標を叶えたい。動き出したい。やる気に満ち満ちた状態なのですね! タロットは「いいぞその勢いだイケイケ!」と応援してくれていますよ。

逆位置 ステイステイ! やりすぎ注意! でも基本的にはGOサインなので十分に自己客観視して動き始めましょう。自己客観視の結果、「やりたい」ではなく「やらなきゃ」とタスクになっていたことに気づくパターンもあるかもしれません。近未来や結論にどんなカードが出ているかを見て、何より心の声を十分に聞いて判断してね。

『未来』魔術師(マジシャン)が出た!

正位置 「ワクワクする時間がやってくる」「アピールしてよし」仕事にせよ恋愛にせよ、追い風が吹きそうです。1~3ヶ月内に自己アピールのチャンスがやってくるので告白や交渉の土台作りに取り組んで。

逆位置 「空回りに注意」「周囲と温度差が生まれる」「思い通りにならない」焦りに飲まれないようにしましょう。

魔術師(マジシャン)が最近よく出る人向けのアドバイス

このタロットに出会うのは、やりたいことがあってワクワク している人、日々のマンネリを打開せねばと思ってる人、 勇気を必要としている人、交流の幅を広げたい人などです。

タロットは、『この先が見えなくてもとりあえず行動してみてはどうでしょう。困ったことが起きたらそのとき考えればよいのです』と、あなたに向けてメッセージを発しています。

「石橋を叩いて渡る」という言葉がありますが、あなたは石橋を叩いて「いまの一打が災いして渡ったときに壊れるのでは……」と怖れてしまっていないでしょうか?

未経験の分野や、苦手なことに挑むのはとても勇気がいりますが、案ずるより産むが易し。
あなたには状況を打破する力がすでに備わっているのです。

まだ起きていない不幸を嘆くのは止めにして。全てはうまくゆくと想像しましょう。

良きビジョンはあなたを今よりも素敵な場所へと導いてくれるはずです。

【2 THE HIGH PRIESTESS(女教皇)】の意味

光(ボアズBoaz)と闇(ヤヒンJachin)を表す柱の間に聡明な女教皇が座っています。

その手に持っているのは高度な知識や学問の象徴と言える「トーラの書」。

彼女は直感力や知性を備え、教会内で高い位に就いていますが、奥手で人に心を開きません。

垂れ幕に描かれたザクロは性的魅力を隠し持っていることを表します。

青のローブは聖母マリアを連想させ、処女の象徴とも言われるカードです。

静けさを感じさせるこのカードは、
直感力、知性、ピュア、繊細、洞察、清純、秘密、静寂、冷静、孤高、受動的
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「直感力がある」「知性を働かせる」「繊細な心」「清らかさ」「静かに過ごす」「恋に臆病」「内気」 
逆位置の解釈例
「孤高孤立」「神経質」「臆病さが裏目に出る」「陰湿なイジメ」「冷静になりなさい」「勘が鈍る」「不安定」「静かな怒り」

リーディング例

『相手の気持ち』に女教皇(ハイ・プリーステス)が出た!

正位置 もしあなたが女性なのであれば「女性的、神秘的、すごい人。だけど少し近寄りがたい」と思われている可能性があります。また、お相手の方自身が人の感情を汲み取るのが得意で奥手なのかもしれません。また、あなたが男性であれば「繊細な人、勘の鋭い人」と思われている可能性があります。

逆位置 男女問わず「心がゆらぎがちで、傷つけてしまわないか心配。そっと見守ろう」と一歩引かれている状況と考えられます。また「文化圏が違う(相性がよくないのでは?)」と思われているかも。仕事の関係ならば無理せず適度な距離感を保つのが良いかもしれません。恋愛感情があり、相手ともっと距離を縮めたいのであれば相応の努力が必要となります。

『過去』に女教皇(ハイ・プリーステス)が出た!

正位置 「以前は冷静だった」 逆位置「以前は冷静を欠いていた」「以前は冷静過ぎて心の扉を閉じていた」とリーディングできます。

『現在』に女教皇(ハイ・プリーステス)が出た!

正位置 「直感が働いているとき」「冷静に判断を」「攻めすぎない」頑張りすぎるよりは現状キープのつもりでいて!

逆位置 「保守的になりすぎていない?」「近寄りがたいと思われているので気をつけて」「笑顔を忘れずにね」

『未来』に女教皇(ハイ・プリーステス)が出た!

正位置 「いい意味でスンと覚める瞬間がやってくる」「進展していないように感じるかもしれないが前に進んでいる」「知性と勘で乗り切る場面がやってくる」

このタロットに出会うのは、自分の時間を大切にしたい人、知識欲のある人、人との関わりが一時的に億劫に感じている人などです。

聡明なあなたは人の気持ちや要求を察しすぎるあまり、自分を押し殺してはいないでしょうか。

タロットは、『案外口に出さなければ気付いてもらえないもの。要求ははっきり伝えて良いです。あなたはあなたを大切にして。自己犠牲はほどほどに』と、メッセージを発しています。

周りに合わせるのも大事ですが、その裏に「受け入れてもらえないのはこわいし、受け入れる側に周ろう」という気持ちがあるのなら要注意。
ある意味ではあなたの持つ“優しさ”や“愛”に違いないのですが、それでは真に理解される日はやってこないまますり減ってしまいます。

口に出して伝えてみれば、想像していたよりも受け入れてもらえる自分、愛されている自分に気づくかもしれませんよ。
思い切って意思表示をして、「相手はきっと受け入れてくれる」と信じるのも、“愛”のひとつの形です。

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【3 THE EMPRESS(女帝)】の意味

愛と豊かさに満ちた女帝がゆったりと座っています。

衣服には【2女教皇】と同様にザクロの柄があしらわれていますが、実は赤く熟れており、女性性を開花させていると表されています。

人を愛し、人に愛されることを彼女は疑いません。

麦の穂はお腹に宿る生命を、美と愛の星ヴィーナスのマークが入った盾は彼女の持つ魅力と愛を受け取り育む能力(包容力)を示します。

まっすぐに正面を見つめる視線は現実直視を意味し、
感受性が豊かでありながらもバランス感覚の良さを持ち合わせている人物だと伺えます。

実りを感じさせるこのカードは、
愛情、女性性、嫋やかさ、豊穣、結婚、満足感、順調、成功、発展、受容、生産性
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「女性的魅力」「愛に溢れてる」「結婚しているのとそう変わらない状態」「事業の成長」「すべてを受け止める」「愛情の発展」「感性の豊かさ」「細かな手仕事」
逆位置の解釈例
「浪費癖」「延期」「停滞気味」「優柔不断」「嫉妬深い」「過保護」「悠に構えすぎ」「思い込みの激しさ」「理由なく悲観的になる」「曖昧にしないこと」

リーディング例

このタロットに出会うのは、おおらかに過ごしたい人、愛し愛されたい気持ちが高まっている人、漠然とした不安と“まあいいか”を往復している人などです。

タロットは、『幸せな想像に未来を委ねて良いです。自分の魅力、存在価値を、誰よりもまず、自分で認める必要があります』
と、あなたに向けてメッセージを発しています。

私たちはしばしば、「これができなければ自分は愛される価値がない」などと、“愛”に条件をつけてしまいます。

しかし本来、愛はただ無条件にそこに存在するものです。

自分の価値を疑いたくなるときは、心が伴わなくても、ひとまずポーズでも良いから「私は私のままでよい」と口に出してみてください。

足りないところがあってもいい。
あなたはそのままで十分素敵で、完璧です。
本当は誰しもがそうなのです。

【4 THE EMPEROR(皇帝)】の意味

皇帝が野外の石椅子に堂々とした態度で腰掛けています。

彼は甲冑を着ており、いつでも戦う意志があります。

背景の岩山は厳しさ、決断力や実行力を示します。

社会的権力や父性の象徴であるこのカードは、
達成、支配、権力、安定、男性性、責任感、視野、公平、威厳実行、現実、責任、指導力
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「目的の達成」「支配権力」「安定」「男性的魅力」「責任感」「広い視野」「公平な分配」「具体的にしよう」
逆位置の解釈例
「横暴」「自分勝手」「傲慢」「責任放棄」「意志薄弱」「ダブルスタンダード」「全体計画を見直せ」「ワンマン運営」

リーディング例

このタロットに出会うのは、ハートに熱い火を燈す人、高みを目指そうと意欲に燃える人、自分にも他人にも厳しい人、あるいは逆にもっと自他に厳しくあらねばならない人
などです。

タロットは、『人生には小さな変化を重ねるべきときと、大きな変化を狙うべきときがあります。今はどちらですか?』
と、あなたに向けてメッセージを発しています。

リスクの伴う大きな変化はつい避けたくなるもの。
しかし漠然とした思いでは現実を動かしてゆけないのも事実です。

“失敗を恐れるな。何もしないことを怖れよ”
あなたの心が抜本的な変化を求めているならば、大胆な行動をとってみてください。

はじめから期待通りの結果が得られなくてもいい。
失敗とリカバリの経験が、あなたを一回りも二回りも大きくします。

【5 THE HIEROPHANT(法王)】の意味

三位一体を表す三重の十字架の杖を持った法王。

双子の聖職者に教えを説いています。

右手の仕草は天との約束を示し、左手に持つ杖や彼の衣服、頭の冠は、
「父・子・精霊(三位一体)」や「肉体・精神・魂」を連想させるかのように三重になっています。

精神的な権威を象徴するこのカードは、
教育、規律、許可、伝統、古き慣習、専門的意見、尊敬、常識、帰属、 などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「ルールを守る」「許可を願い出る」「許可が下りる」「法令遵守」「慣習に従え」「専門家の意見を聞く」「尊敬している」
逆位置の解釈例
「保守的」「不許可」「衝突」「束縛」「違反者」「不信感」「常識やぶり」「慣習に捕らわれない方法の検討」

リーディング例

このタロットに出会うのは、向上心に溢れる人、新しい世界の扉を叩きたいと考える人、安心できる環境を欲している人などです。

タロットは、『あなたの選択は間違っていません。やりたいことをやってよいです。あなたは守られています』と、メッセージを発しています。

怠けてしまう気持ちの裏には変化への恐れがあります。
憤りの裏には安易に触れられたくない悲しみがあります。

周りを見渡してみてください。
家族、友人、恩師、仲間。
あなたを見守り、あなたの進む道を肯定してくれる人がいます。

本当は許されているのに、それを受け入れられないのは他でもない自分自身なのかもしれません。

今はまだ自分のことが疑わしくても、ひとまず身の回りの大切な人のことを信じて、自分を律してみませんか。

自己肯定感は、あとからついてきます。

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【6 THE LOVERS(恋人)】の意味

旧約聖書にあるエデンの園の光景です。

天使ラファエルが“始めの人”であるアダムとイヴを祝福しています。

アダムはイヴを、イヴは天使を見ています。
イヴの後ろには誘惑を示す蛇が巻き付いた知恵の樹が。
アダムの後ろには生命の樹が描かれています。

他者との関わりを象徴するこのカードは、
選択、調和、絆、愛の芽生え、魅力的、一致、期待、対話、交流、直感、決断、
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「選択の時」「愛情の芽生え」「エロス」「体調が良い」「センスを発揮する」「コミニュケーション」
逆位置の解釈例
「注意力散漫」「誘惑」「優柔不断」「軽度の体調不良」「ブロークンハート」「今は決断の時ではない」

リーディング例

このタロットに出会うのは、協調性を重んじる人、関わりを欲している人、決断を必要としている人などです。

タロットは、『直感を頼ってください。はじめに感じたことが正解です』と、あなたに向けてメッセージを発しています。

私たちは、物事に違和感を感じても、「判断するには早すぎるのではないか?」「のちに帳尻が合うのではないか?」と思考で遮り無理をしがちです。

かつての経験を思い起こしてください。
違和感を覚えながら最終的にうまく行った試しがどれほどあったでしょうか。

直感は根拠のなさから軽視されがちですが、実はこれまでの経験の蓄積が言語化できない感覚として押し寄せているのです。

嫌な予感がしたら、切り上げましょう。
良い予感は大切にして、継続して取り組みましょう。

なんとなく好き。なんとなく嫌い。

あえて理由付けをせず、感覚をそのまま大切にしても、意外と間違いはないものです。

【7 THE CHARIOT(戦車)】の意味

戦車に乗りまっすぐ前を見つめる彼は太陽神アポロン、
または破壊を司るシヴァ神だと言われています。

星のあしらわれたカーテンは彼の幸運と決意、支援者の多さを物語ります。

黒と白のスフィンクスは、肯定と否定、破壊と想像、善と悪など
相対する思想やエネルギーを彷彿とさせますが、
そのいずれかに傾くことなくうまくバランスを取っている様子が伺えます。

“勝ち取る”というニュアンスが強いこのカードは、
勝利、積極性、突進力、克服、制御、統率、衝動、闘志、独立
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「そのまま進め」「心を強く持て」「援軍がある」「積極的に参加しよう」「克服すべし」「制御せよ」「俺様な男性」
逆位置の解釈例
「暴走」「急くな」「好戦的」「強引になってないか?」「自制心の喪失」「タバコや自棄食い」「振り回される」

リーディング例

このタロットに出会うのは、ゆずれない願いを持つ人、価値や可能性の計算をしている人、他者の言葉や自身のエゴに振り回されることを良しとしない人、などです。

タロットは、『地に足をつけ、そのまま進んでください。 あなたなら希望する未来を掴み取れる』と、メッセージを発しています。

聞く耳持たずの姿勢ではいけませんが、あらゆる立場を慮っていては動けなくなります。

すべての人が納得する答えなどこの世に存在しないと理解し、あなたが“正しい”と思うことをしましょう。

まわりがどんなレッテルを貼ろうとも気にする必要はありません。
人はもともと、割り切れない多面的な存在だからです。

男性性と女性性。陰と陽。愛と憎。正義と悪。
自身に内在するする様々な要素を認め、正しく制御したときに、人は強い推進力を得ます。

そして迷わず進む者には、説得力やカリスマ性が備わり、周りの人をも納得させるのです。

【8 STRENGTH(力)】の意味

庶民の女性が百獣の王ライオンを手懐けています。

頭上には魔術師と同じ無限マーク。
マルセイユ版では大アルカナ10番の運命の輪を区切りに、新たな始まりとなる11番目の大アルカナとして位置づけられています。

彼女はエゴ(内なる恐怖や怒り)に振り回されず、根気よく取り組みました。
愛。優しさ。思いやりや忍耐の勝利です。

心の強さを感じさせるこのカードは、
意志、寛大、包容、忍耐、慈愛、礼儀正しさ、意思、素直さ、信念、不屈、懐柔
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「寛大であれ」「認めよ」「忍耐強く」「あなたらしく」「礼節を持って」「おおらかに」「偽らずに」
逆位置の解釈例
「自己嫌悪」「自己不信」「焦るな」「共依存」「暴力沙汰」「悲しみや寂しさが蟠っている」

リーディング例

このタロットに出会うのは、どんな状況も受け入れようと試みる人、長期的視野を持つべき人、忍耐が必要な状況に立つ人などです。

タロットは、『時間はかかるかもしれない。しかしあなたの揺るぎない精神、芯の強さは、やがて花開き報われます』と、メッセージを発しています。

このカードの指す“力”とは、頭ごなしなPOWERでも、スピリチュアルなENERGYでもありません。

STRENGTH 即ち、強度や知力、能力。人間の持つ精神の底力です。

大きな目標を前に「もうだめだ」と諦めたくなるかもしれません。
しかし、長い目で見ましょう。諦めさえしなければ勝機は何度でも訪れるのです。

「必ず最後に愛は勝つ」とは本当です。

忍耐を持って挑む。“機を待つ”ということは、自分や、相手や、世界を信頼し、愛することでもあります。
心を広く、強く持ち、すべてを受け入れる覚悟を持てば、最後にはあなたが勝つのです。

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【9 THE HERMIT(隠者)】の意味

暗闇を照らし歩く魔術師マーリン。

ここは【0愚者】の背景として描かれていた山脈です。

大アルカナ1~9の旅(あるいは輪廻転生)を経て知恵と経験を積み、
この境地にたどり着いた彼は、今では瞳を閉じていても正しい道を歩むことができます。

落ち着きを感じさせるこのカードは、
経験、助言、探究心、思慮、慎重、自活、内省、一匹狼、
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「経験を信じよ」「助言には聞く耳を持て」「ひとりを好んでいる」「慎重で思慮深い」「地道な取り組み」「十分な自立、自活」
逆位置の解釈例
「反省中」「迷子」「無視」「陰湿」「消極的」「干渉を嫌う」「孤立」

リーディング例

このタロットに出会うのは、自らを省みる人、ナイーブさを隠して人付き合いをしている人、読書などの文化鑑賞や考察を好む人などです。

タロットは、『物事の表層にとらわれることなく、内面に目を向け、本質を探りましょう。知恵や経験に埋もれて大切なものを見失わないように』と、メッセージを発しています。

人との関わりの中では誰もがなんらかの役割を担います。
仮面を被って人に合わせ、本当に話したいことや胸の傷は秘めて、話の聞き役に回ったりします。

それらは社会生活において必要なことではありますが、自分の本当の姿を見失わぬよう注意が必要です。

誰もが自分自身からは逃れられません。
自己と対話しましょう。
時には誰かに思う存分話を聞いてもらいましょう。

そして心がクリアになるとき、ふと照らされたかのように、手にとるべきものやこれからの方針進むべき道が自ずと見えてきます。

わたしたちはいつだって、本当の答えを、自身の内側に持っているのです。

【10 THE WHEEL of FORTUNE(運命の輪)】の意味

命を示す円盤の周りを登ってゆくのはエジプト神話に登場する冥界の神アヌビス。
落ちてゆくのはギリシア神話に登場する怪物テュポンです。

周囲で書を読んでいる『人間、鷲、牡牛、獅子』は四大元素を司っています。
占星術においてはみずがめ座、さそり座、おうし座、しし座に当てはまり、
春分、夏至、秋分、冬至 4つの季節の区切りを含む星座であるとともに、いずれも不動宮という共通項があります。

12時、9時、6時、3時に示される文字をつなぐと2女教皇が持っていたTORAの書を表し、
6時から時計回りに文字を読めばROTA、車輪という意味になります。

大きな流れ、宇宙の理の前に、人の意は介在しません。

万物流転を感じさせるこのカードは、
転換期、変化、向上、巡り合わせ、偶然、必然、運命、
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「大逆転」「好転する」「チャンスを掴め」「流れに逆らうな」「栄枯衰勢、諸行無常」「目まぐるしい変化」「時間薬」
逆位置の解釈例
「アクシデント」「自然な変化が妨げられようとしている」「慌ただしい変化」「悪化」「突然の別れ」「すれ違い」「他者の介入」

リーディング例

このタロットに出会うのは、人生の転機に立つ人、巻き込まれ気質の人、時の流れに伴う癒やしが必要な人、運の強い人などです。

タロットは、『良いときも、悪いときも続きません。大きな流れを意識してください。巡ってきたチャンスは活かし、不運の時は身を小さくしてやり過ごしましょう』と、メッセージを発しています。

この世には自分でどうにかできることと、自分ではどうにかできないことがあります。
そして、時間が解決することと、時間が解決しないことがあります。

問題に直面したときは、それがどのカテゴリに該当するか分類すれば、諦めるべきか挑むべきか、待つべきか、身の振りを決めやすくなります。

人生には、何らかの喪失や避けようのない不運など、理屈ではなくただただ時間が必要な場面が存在します。
そんな時は、決して焦らないこと。時間に身を任せることが肝心です。

不平等なこの世界で、時の流れだけは平等。
残酷なように見えても、時は間違いなくあなたの味方なのです。

【11 JUSTICE(正義)】の意味

洞察力と判断力に優れた女神アストレイア。

裁きの剣と均衡の天秤を持ち、悲しさと厳しさを表す二本の柱の間に座っています。

マルセイユ版などのオールドデッキでは大アルカナ8番が『正義』11番が『力』でしたが、
ウェイト版で8番が『力』11番が『正義』と大胆な入れ替えが行われました。

マルセイユ版では天秤の皿が左右で違っており「この世はもともと不均衡だがバランスを取らねばならない」という教えだという説があります。

ニュートラルな価値観を感じさせるこのカードは、
公平、善行、両立、均衡、因果応報、断捨離、平等、世間体、責任、厳格、
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「正しい判断」「win-winの関係」「正当な結果が出る」「両立させよ」「世間体を気にする」「未来の為の断捨離」
逆位置の解釈例
「不均衡(生活、栄養、睡眠等)」「一方通行に感じる」「相手または自分の頑固さが原因である」「周囲の糾弾」「断とうと思っても断ち難い」

リーディング例

このタロットに出会うのは、思い切った判断が必要な人、正義感に溢れる人、清廉潔白でありたいと願う人、不公平な状況に苛まれている人などです。

タロットは、『行動や言動はその人のもとへと返ります。誰よりも自分自身に誇れる態度であってください』と、メッセージを発しています。

正義の形はひとりひとり違っており、わたしたちは誰もが発展途上です。

様々な人の意見に接していると、ときには「それは明らかに間違いだ」と物申したくなるシーンもあることでしょう。
けれどあなたが裁く必要はありません。

苦しいのならそのような場からは距離を置くのがおすすめです。

誰かから正解を与えられるのではなく、当人が自ら気づいてこそ、深い学びは得られます。

無力のように感じるかもしれませんが、線引きをして。
あなたがあなたを律して正しくあれば、その態度はきっと誰かに伝わります。

しなやかな芯を持ち、背筋を伸ばしていてください。

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【12 THE HANGED MAN(吊るされた男)】の意味

ユグドラシルの木に吊るされた北欧神話の最高神オーディン。

吊るされてはいますが、その表情は落ち着いており、頭には冴え冴えとした後光が差しています。

十字に組んだ足は瞑想の印。
靴を履いていることからも、彼は開放の日が来るのを知っているかのように見えます。

木の芽吹きには希望が感じられ、苦しみの先に新たな展開があると予感させます。

マルセイユ版では左右の木の幹が6つずつとなっており、6は数秘術において交流の数であることから、
彼は “板挟みの人” 仕方なく吊るされている政治犯だとも言われています。

耐え忍ぶ姿勢を感じさせるこのカードは
試練、献身、修行、気付き、忍耐、自己犠牲、努力、妥協、不動、
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「今は耐える時」「犠牲心」「いったん諦めろ」「行動するな。よく考えろ」「苦悩の時期の果てに発想の転換がある」「優先順位の変更」「板挟み」
逆位置の解釈例
「脱却」「徒労に終わる」「欲望に負けない」「忍耐の勝ち」「楽になる」「次の一手を打とう」

リーディング例

このタロットに出会うのは、板挟みに合っている人、あえて尽くしている人、苦しい状況の中で策を練っている人などです。

タロットは『不用意な行動や言動は謹んで。今はよく悩み、よく考えましょう。悩み抜いた果てにひらめきと雲抜けが用意されています』とメッセージを発しています。

目の前にとても高い壁があったとして、「よし登ろう」と挑むのも一つの手ではありますが、よくよく観察してみれば高い壁は向こうで途切れていて単に大回りすれば済むかもしれません。

急がないこと。思い込みを捨てること。客観的視点に立つこと。ひらめきを待つこと。

少し立ち止まったほうが結果的に困難をうまく、素早く、抜本的に解決できる可能性があります。

加えて忘れずにいたいのが、我々は決してひとりではない、ということ。

道に迷うときは地図をこねるより人に聞いたほうが圧倒的に早いのです。
この吊るされた男だって味方が来れば一発で自由になるのですよ。

【13 DEATH(死)】の意味

軍旗を持ち白馬にまたがったしゃれこうべが凱旋しています。

聖職者は命乞いをしているのでしょうか、教えを説こうとしているのでしょうか、来る死を受け入れようとしているのでしょうか。

息絶えた母親の腕を取る幼子は、このまま生き残るのか。それとも……。

背景の塔の向こうには日が昇りつつあります。

白馬もまた、死が禍々しいものではなく新たな出発への道筋であると示すように見えます。

再生の予感を感じさせるこのカードは、
終了、新展開、精算、開放、決別、白紙撤回、手放す、
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「スパっと終わる」「終わらせるべきタイミングである」「新展開の予兆」「過去の清算」「自己、または他者を開放せよ」
逆位置の解釈例
「元の黙阿弥(いつか終わらせなければならない)」「成長なきままの復縁」「挫折から立ち直る」「何かを精算するが痛みを伴う」

リーディング例

このタロットに出会うのは、苦しい時間が続いている人、結論が先延ばしになっている人、新しい自分になりたい人、卒業・転居・転職・結婚・離婚を控えている人などです。

タロットは、『新しい風を取り入れるには、まず窓を開けること。これまで取り組んできた古いものを、きちんと終わらせましょう』と、あなたに向けてメッセージを発しています。

丹精込めてお世話をした畑に麦穂が成ったとして、その光景に満足して眺めていては朽ちるだけなのです。

適切な時期に刈り取り、地を肥やし、新たな種を撒いて、循環を促しましょう。

終局や死はどうしても悲しみを連想させます。
しかし春夏秋冬季節が移り変わるように、私達が次の世代へと生命や文明のバトンを繋いでゆくように、終わりは次の始まりへとつながっています。
それはごく自然な循環で、ある一点に留まるよりも健全に思えます。

古い殻を脱いでまっさらな自分になったとき、あなたの胸には虚しさよりも清々しさと未来への期待が広がっていることでしょう。

【14 TEMPERANCE(節制)】の意味

大天使ミカエルが錬金術を行っています。
両手に持つ杯で液体を撹拌し、不老不死の霊薬エリクシールを作っていると言われています。

片足は水へと浸り、片足は地について、霊性と肉体、潜在意識と顕在意識など対なるものを連想させます。
胸の正三角形は炎(ミカエルは四元素で火と関連付けられます)を表します。

『節制』とは、度を越さないよう控えめにすること。
規律正しく統制のとれていること。
欲望を理性で抑え秩序あるものとすることです。

静かな泉の傍らに咲く花はアイリス。ギリシャ語の「虹(イリス)」が語源です。

山へ続く長い道の果てには、王冠のようにも見える日の出が描かれています。

中庸中立を感じさせるこのカードは、
管理、安定、調整 自制、空気を読む、調和、維持、適切、適合、相互作用、平均化
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「管理による安定」「調整」「自制を利かせる」「循環させる」「空気を読んで取り繕う(妥協する場合も)」
逆位置の解釈例
「過激で不適合な行動」「消耗」「生活サイクルの乱れ(寝不足食べ過ぎ等)」「循環器系の病気」

リーディング例

このタロットに出会うのは、自己管理のできている人、逆に自己管理の必要がある人、癒やしを必要とする人、穏やかでいたい人、気にしすぎな人などです。

タロットは、『バランスが肝心です。まずは狭い範囲から状態を整え、広げてゆきましょう』と、メッセージを発しています。

私たちは気を抜くとすぐに白黒はっきりさせたくなったり、0か10かで語りたくなったり、ひとつのことに夢中になってがおろそかになったりします。

中庸でいるにはコツがいりますが、まずは身の回りの手の届く範囲から整えてゆくのがよいのかもしれません。

仕事一辺倒にせず私生活も大切にする。
インドアもいいけれど、外に出て人に会う時間も作る。
肉ばかりでなく魚も食べる。野菜も食べる。
活動したらよく寝て休む。

日常の何気ない所作に中庸を置くと、心や身体が整い、物の考え方や行動にも反映され、やがて未来へも良い影響を与えてゆきます。

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【15 THE DEVIL(悪魔)】の意味

悪魔バフォメットと鎖で繋がれた裸の男女が描かれています。

羊の頭に人間の胴を持ち下半身は獣。実に意味不明で中途半端な存在です。
密教のサインを真似るも、松明は逆さに持ち、よくわからないままに神の真似事をしているように見えます。

繋がれた男女に目をやると、頭の角。首に鎖。
男性の尾には松明から炎が燃え移り、女性の尾にはぶどうの房がなっています。

欲望や快楽に浸る者の象徴。
虚栄、嫉妬、怠惰、怒り、強欲、貪食、淫蕩の七つの大罪を犯せし者。

二人は繋がれていながらも、抗う様子がありません。

このカードは【6恋人】に似通った構図であり、光と影のように対を成しています。

人間の影の要素を感じさせるこのカードは
誘惑、欲望、怠惰、束縛、暴飲暴食、暴力、憤怒、腐れ縁、執着、エゴ、怖れ、
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「誘惑に負ける」「浮気者」「わけがわからない」「中途半端」「お酒の飲み過ぎ」「恋に溺れ他が疎かになる」「モラハラ」「依存関係」「楽な方に流される」「その場凌ぎの判断」
逆位置の解釈例
「回復」「目が覚める」「抜け出し時」「深刻な泥沼化」「泥沼からの脱却」「リセット」「二日酔い」

リーディング例

このタロットに出会うのは、なんとなく疲れている人、思い出や物や情が捨てられない人、小悪魔的要素のある人、好きなことを好きなだけしていたい人などです。

タロットは、『楽したい、欲望を満たしたいという感情も人の一部に違いありませんが、ぬるま湯に長く浸かって風邪を引くのは本人です』と、メッセージを発しています。

そういう日もあって良いと思います。
欲望は確かにわたしたちひとりひとりの中に存在しており、生への強い原動力となります。

人は神ではないし、綺麗には生きられません。
甘えが出ることもあります。やめたくてもやめられないこともあります。

限界まで潜り、あるいは溺れ、闇を見たからこそ光を強く感じられるのもまた真理。

しかしながら、のちにツケを払うのは他でもない自分だと、頭の片隅に置いておきましょう。
刹那主義的にならぬよう気をつけねばなりません。

私たちが行き過ぎてしまうのは、感情や思考には線引が存在しないためです。
頭でわかっていても心に抗えないときは、のちのち軌道修正できるよう、具体的な期限、金額などを設け、限界を定めるようにしましょう。

【16 THE TOWER(塔)】の意味

叡智を結集し築かれたバベルの塔は神の雷によって打ち砕かれました。

権力の象徴たる王冠は飛び出し、人々が落下してゆきます。

白く高い塔は、価値観、経験則、努力、成功体験、プライドなど様々なものに置き換えられます。

雷は良い変化や恵みを表す黄色で描かれており、一見すれば絶望的な破壊もやがては幸いにつながると表されています。

大きくなりすぎたものは崩れるという普遍的な教訓を感じさせるこのカードは、
衝撃、混乱、崩壊、動揺、混乱、打破、驚き、離別、突然、災害、心が折れる、放出、サプライズ
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「築き上げたものが崩壊する」「真実に気が付く」「過信が打ち砕かれる」「開放される」「災害等など難に見舞われる」「心がポッキリ折れる」「広い場所に放り出される」
逆位置の解釈例
「緊迫した空気」「想定内の変化」「気にしすぎ」「避けようと思えば避けられた災難(がゆえに悔しい)」「荒野からの出発」

リーディング例

このタロットに出会うのは、最近ショックな出来事があった人、混乱のさなかにいる人、抑圧からの脱却を願う人、人生の転換期に立っている人などです、

タロットは、『たとえ全てを失うかのようなショックを受けても、人は必ず立ち直れます』と、メッセージを発しています。

古い組織や家や歴史を想像してみると分かる通り、歴を重ねるほどに物事は複雑化し、老朽化し、歪むもの。
そして私たちもまた年を重ねるごとに、経験と学習によって価値観が固定化されてゆきます。

破壊は創造への第一歩です。

強い衝撃によって思い込みや信じていたものが打ち砕かれれば一時的な混乱が生じますが、なにか大切なことに気づくためにそのような状況が引き起こされているのかもしれません。

また、たとえ天災のような唐突なエネルギーによって更地に戻ったとて、わたしたちの身に備わっている価値は無くなりません。

あえて更地からやり直すことで、これまでの知恵や経験を活かし、より強い基盤を築き、完成度を高めるという方法だってあるのです。

【17 THE STAR(星)】の意味

輝きを放つ大きな八芒星。その周りを7つの小さな星が囲んでいます。

八芒星はイエスが生まれたことを知らせるベツレヘムの星や、美と富と豊穣と幸運を司るラクシュミーの星、などと共通し、
陰陽統合の証、この世と永遠を繋ぐ図形などと言われ、能力を強化する効果があると謳われています。

地上では占星と天文の女神ウラニアが惜しみなく大地と泉に命の水を注いでいます。
視線を地に向け星には目もくれず、自身のなすべきことをしているよう。

泉は霊性や子宮の象徴とも言われ、天と地の間に描かれた小高い山には、命の水が巡った成果物として一本の木と鳥が描かれています。

切実な願いを感じさせるこのカードは、
希望、夢、願望成就、チャンス、目覚め、理想、神通力、目標の新設、ラッキー
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「(苦しい状況でも)希望を持って」「欲望や執着からの脱却」「チャンスはやってくる」「理想に近づく」「夢を持ち、願え」
逆位置の解釈例
「失望」「無気力」「夢は砕かれる」「過小評価」「希望の星は見ようと思わねば見えない」

リーディング例

このタロットに出会うのは、地道な取り組みを続けてきた人、傷ついていても雲抜け間近の人、叶えたい願いがある人などです。

タロットは、『決して疑わず、希望は叶えられると信じてください。強い願いはあなたを理想の姿にひっぱっていってくれることでしょう』と、メッセージを発しています。

わたしたちが不安に苛まれ迷走するとき、そこには自己への不信感があります。

「自分にそれが成し遂げられるだろうか」
「自分には愛される価値があるだろうか」

頭ではありのままでいいのだとわかっていても、心に響かず肯定の言葉も沁みない。

そんな時は、星や神様、ご先祖様、信じられる何かに向けて「全ては必ずうまくいく」と祈ってみてください。
自分以外の信じられる何者かに祈り、願いを預ければ、絶望を少しはやり過ごし、捨て鉢にならずにいられる。

そして大きな願いを叶えるために、小さな希望へと目を移しましょう。
これまで成し遂げてきたことを再評価し、自己を認め、今の自分にでもできる小さな目標を立てましょう。

たとえ辛い時も信じていれば夢は叶うもの、と成功者は口を揃えます。

やめない、少しずつでも進んでゆく。
そうして長く続けるうちにゴールは自然と近づいていることでしょう。

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【18 THE MOON(月)】の意味

犬、狼、ザリガニ。夜の住人たちが夜の支配者たる月を見上げています。

泉から続く道は、無意識の世界から抜け出して歩み進めよと誘うかのよう。

月は満ち欠け、昼夜を繰り返し、姿を変え続けます。

遠くに見える2つの塔はゲートのよう。
その向こうへとさらに道は続き、山々へと連なっています。

エジプト神アヌビスは精神世界への扉を開きました。

心の影と向き合う時間の始まりです。

心の変容を感じさせるこのカードは、
不安定、疑い、幻惑、困惑、現実逃避、予想外、移ろい、よくない想像
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「不安定にうつろう心」「のめり込み」「現実逃避」「曖昧さに飲まれている」「危険が潜んでいる」「予想の斜め上をゆく出来事」
逆位置の解釈例
「不安が消え去る」「疑いすぎている」「徐々に好転する」「秘密は暴かれる」「誤解が解ける」

リーディング例

このタロットに出会うのは、停滞感を感じている人、穏やかに過ごしたい人、漠然とした不安を抱える人、心の問題と向き合う人などです。

タロットは、『心の内にある恐れや不安の存在を認め、抗わず、けれども飲み込まれないようにしましょう。結論は急がないで。やがて陽は射し真実が明るみに出ます』と、メッセージを発しています。

私たちは弱気になると、思考の海に潜り、不安をさらに膨らませてしまいます。
しかし、よくない想像の8割方は、実際には起こりません。

頭の中の考えはいったん脇において、胸に手を当てましょう。
思考ではなく感情にスポットを当てるのです。

「いま、思い込みで不安を育ててしまっているな」と感じたら、鼻歌を歌いながら窓拭きをするなど気分転換しましょう。
人は3つのことを同時には出来ないので手を動かし口を動かせば思考を止められるのですって。

それでも不安になるならば、「今はそういう時期なのだ」と認めて、低空飛行しましょう。

夜明けは来ます。たとえあなたが本調子でなくても、物事がうまく行ってなくても、必ずです。

暗い中で闇雲に動いて迷子になるよりも、陽が差してから道を確かめるほうがうんと早く済みますよ。

【19 THE SUN(太陽)】の意味

太陽が朝を告げています。
その光は真っ直ぐなものとうねりのあるものが交互に並べられており、
不安感と安心感、肯定的な心と否定的な心は繰り返されるものだと物語っています。

白馬にまたがる子どもは陽の光を浴びて、手放しに生を喜ぶかのように両手を広げています。

咲き誇るひまわりは活力に満ち、赤くたゆたう布は情熱や能動性を感じさせます。

肯定的なエネルギーに溢れるこのカードは、
祝福、開放、健康、誕生、自己開示、健全、開花、成就、勝利、活力
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「祝福を受ける」「手放しの信頼」「元気いっぱい」「守られている」「開放感」「誕生」「未来を約束する」「受け入れる」「リーダーシップ」
逆位置の解釈例
「虚しい」「不調」「昼夜反転」「万策尽きる」「成就がままならない」「今は受け入れられない」「そんなにマイナスに考えないで」

リーディング例

このタロットに出会うのは、楽しいことをしたくてうずうずしている人、輪の中心にいる人、特定の誰かを助けたい人、最近おめでたいことがあった人などです。

タロットは、『あなた自身が決意と選択を重ね歩んできた道は全てベストでした。躓いた経験も魂の成長に必要だったのです。この先も心の声を聞き、疑うこと無く進みましょう』と、メッセージを発しています。

自身の持つ、良いところと悪いところ。苦い経験や成功体験。
すべてを認めて「これが私だ」と思えたとき、内側から輝きを帯び、本当の元気が湧いてきます。

生まれた時代や土地や家族。環境は、本人には選べない宿命です。
しかし運命は“命”を“運”ぶと書きます。
私たちは自らの意思決定によって未来を変えてゆけるのです。

あなたが自らの意思で撒いた種は、芽吹き、花を咲かせ、やがて実をなし、種子となるでしょう。

成果はすぐに得られるものではありません。
ときには恐れや不安といったエゴに負けそうになるかもしれない。

しかし恥ずべきことなどなにもないのです。
誰かと比べる必要は始めからありませんし、たとえくらべたとて、誰しもがまっすぐに道を歩んではいないのです。

あなたは着実に成就(達成感)へと向かっています。
自分らしさを大切に。この輝きを保ち続けましょう。

【20 JUDGEMENT(審判)】の意味

最後の審判が行われています。

大天使ガブリエルがラッパを吹き、選ばれし者が墓から蘇ります。

遠くには山脈が見え、人類・生命がこれから文明を再構成するにあたっての試練が表されています。

再出発の予感を感じさせるこのカードは、
復活、覚醒、進歩、転換、異動、再構築
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「敗者復活戦」「復縁」「トラウマからの脱却」「進化」「人生の転機」「引っ越し(転職・異動)」
逆位置の解釈例
「停滞感」「変わらなくてはならないと感じつつも行動を起こせない」「主体性にかける」「引きずる」

リーディング例

このタロットに出会うのは、トラウマや後悔を乗り越える人、選ばれる人、一からやり直しを図る人、本当にやりたかったことに着手する人などです。

タロットは、『あなたを苦しめ縛っていたのは、一般論のような漠然としたもの。他人から与えられた価値観です。再構築しましょう。あなたのことは、あなたが判断して良いです』と、メッセージを発しています。

学びと経験を重ねてきたわたしたちにとって、
「とにかくやりたいからやってみる」「やらなきゃいけないからやる」のようなスタートよりも、
自らの意志でもってなにかを終わらせ、方向転換することのほうが難しいように感じます。

いま、1年後、5年後、10年後のビジョンが見えますか?
なりたい自分に近づけそうですか?

自由の匂いがする方へと歩いてください。

世界へのイメージ、自分へのイメージ、相手へのイメージ。
既存の枠組みを壊し、再構築しましょう。

過去の出来事が今に影響を残し、トラウマが呼び起こされても、過去の自分と今の自分は違うのだから、もう大丈夫です。

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【21 THE WORLD(世界)】の意味

宇宙の完成と終焉のカードです。

顕在意識と潜在意識を表す二本のワンドを持った裸婦が環の中で踊っています。

纏った布によって隠されていますが、この人物は両性具有の完全体であるという説もあります。

四方の生物は世界を構成する元素を表します。

10運命の輪のカードと似通った、区切りのカードです。

大アルカナの最後を司るこのカードは、
完成、完了、終焉、成就、大団円、達成、満足、完全、優勝、制覇、永遠、悟り、宇宙、総合、攻略
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「完成と終焉」「大団円」「答え合わせ」「自分のなすべきことがわかる」「成就」「達成感」「満を持してやりきる」「満ち足りる」「祝福がある」
逆位置の解釈例
「なにか忘れてない?」「不完全だが補えば完成する」「話が流れる」「あと一歩惜しい」「部分的勝利」

リーディング例

このタロットに出会うのは、ひとつのテーマを終わらせた人、ステップアップを間近に控える人、晴れやかな気持ちで過ごす人、気にしすぎな人などです。

タロットは、『これまでの全てが反映され、結論が導き出されました。努力は報われ、愛は完成します。怠惰や業は、それに応じた結末を迎えます。受け止めましょう。次のステージへと向かうために』と、メッセージを発しています。

「私はどうすればよいだろうか……」と深刻に問いかけても、世界のカードは「ほんまはわかってるんやろ?」とでも言っているかのように見えます。

答えはいつだって本人が持っています。

どんなに不安でもどんなに幸福でも、それらが長続きしないこと。
どんなに占いに身を委ねても、未来は不確定で、最終的には自らの手で切り開かなくてはならないこと。
どんなに過去のせいにしても、それはもう取り戻せず前を向くしかないこと。
どんなに人に満たしてもらっても、自分が自分を認め満たさなくては、解決しないこと。
どんなに永久不滅で完璧のように見えても、必ず終わりがくること。

私たちは、心のどこかでわかっているのではないでしょうか。
何をすべきか、本当は私たちは知っているのではないでしょうか。

さあ、ここは終わりと始まりの地点です。

嬉し涙。悲しみの涙。
どちらがこぼれても、魂の成長があったのならそれはハッピーエンド。

ステップアップして。まっさらな旅立ちの時です。
この先のあなたが自由でありますように。

【0 THE FOOL(愚者)】の意味

空には輝ける太陽。

少ない荷物を手にした旅人と、一匹の犬が描かれています。

旅人が身にまとったボロボロのローブには朝顔とザクロの模様があしらわれています。

手にした一輪の白いバラは純真無垢な心や小さな希望を表すよう。

目の前には崖が迫っていますが、愚者の視線は高く、足元が見えていません。

犬は崖を警告しているのでしょうか?
それとも単に旅をはしゃいでいるのでしょうか。

背景にはこの先彼が乗り越えるべき試練が山脈として描かれています。

番号がないほど“自由”なこのカードは、
未知、可能性、アウトサイダー、純粋、自由、冒険、身軽さ、天才、スタート、考えなし
などの意味を持っています。

正位置の解釈例
「未知なる可能性」「心を自由に」「自由に発想せよ」「縛られるな」「怖いもの知らず」「一大決心」「思考より行動」
逆位置の解釈例
「無謀な計画」「無茶をする」「不安定」「無職」「軽率」「きまぐれ」

リーディング例

このタロットに出会うのは、明朗快活で天真爛漫な人、本当はそんな風に振る舞いたいのに抑圧を感じている人、ゼロの状態から何かを始めなければと考えている人などです。

タロットは、『頭で考えるのは一旦やめてみましょう。“本当は”どうしたいのか? に目を向けてください』と、メッセージを発しています。

私たちはおとなになるにつれ、我慢ばかりがうまくなります。

しかし蓋をして奥底に秘めた願望はいつまでも消えません。

一度の人生においては、今日が一番若い日です。

カードに描かれた愚者は目の前が崖でも、来る道のりが困難なものであっても、持ちものが少なく明日の保証がなくても、胸に希望の火をともし、未来だけをみつめています。

しがらみを捨てましょう。本当に大切なものだけを持ってゆきましょう。

愚者のように好き勝手に振る舞うことはかなわなくても、今一度本当の気持ちと向き合うことで、現実的な落とし所が見つかり、進むべき道がクリアに見えてきます。

最後に

私はひとつの話題が複数のページに渡ってるよりも1ページにまとまってるほうが好みなのですが、
「なにこれ……全然終わんないな……めっちゃ時間かかるやん……」と思ったら2万字を超えていました。

お目通しいただきありがとうございます。
少しでも参考になれば幸いです。

ちなみに画像はパブリックドメインとなっているライダー版をいじくっております。

そうそう。
ときどき「自分で引いたタロットの解釈で躓いているのですがそういうご依頼は可能ですか?」とお問い合わせをいただきます。

ちゃんとメニュー可していないのですが、承っておりますよ。
1枚なら500字程度、1000円。(ワンオラクル購入に相当)
あまり詳細なお答えはできませんがタロット1~3枚の解釈、1000字程度のご返答で良い場合は3000円。(メール鑑定ササッとプランに相当)
3~10枚の解釈。3000字程度のお返事を希望する場合は6000円でお引き受けしております。(メール鑑定通常プランに相当)

メニューページよりご購入のうえご連絡くださいませ。
(展開画像の写真と、ご自身はどう解釈したか、わかりにくいのはどこかを教えていただけるととても助かります)

タロット“リーディング”とはよく言ったもので、複数枚のタロットを展開した場合は、タロットからのお手紙を読むように話を組み立ててゆきます。
慣れもあるし、直感を信じなきゃいけないから、ある程度の自信が必要かな、と思う。
その自信を得る一環として、自分以外の占い師に解釈をスーパーバイズしてもらうのもいいと思う。

なお、teruru.me主催『エレメンタルワークショップ』水の章では直感を開いてタロットを読む練習を行いますよ~。
是非いらしてくださいませ!

ブログ内、
『タロット占いを学ぶ』カテゴリは【コチラ
『占い師になるには』カテゴリは【コチラ

傷ついたときもひとりじゃないよ。

タロット占い、数秘術、心理学(カウンセリング)を
身につけたい方はワークショップをご検討ください