この記事はタロット占いを挫折せず独学で習得したい人におすすめの勉強法-タロット入門その3-1の続きです。
加筆の結果4000字を超え、あまりにも長くなったので分けました。
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もくじ
大アルカナにおける特に覚えておいてほしい象徴
UNIVERSAL WAITE TAROT/ Stuart R. Kaplan (Author), Pamela Colman Smith (Original Illust), Mary Hanson-Roberts (Illust) ©1992 U.S. Games Systems, Inc.
0愚者、10運命の輪、20審判 は『転機』のカード
タロットは数秘術ともつながりがあります。
【数秘術】とは、1から9までの番号で占う命式の占術です。
つまり大アルカナの「0」「10」「20」に当たるカードはちょっぴりはみだしっ子ということになります。
輪廻転生の合間のような雰囲気の漂うカードだと覚えていてください。
※厳密には、10は数秘術では「1」、20は「2」と捉えることができます。
1は男性性を象徴する数字、2は女性性を象徴する数字。
10運命の輪は力強くこの世の理を回すパワーがあり、20審判は死者に生まれ変わりを告げるという柔らかな側面を持っています。
月と運命の輪には人間が描かれていない
『月』のカードと『運命の輪』の2枚は、大アルカナの中でめずらしく「人間が全く描かれていない」という共通項があります。
なぜ『月』と『運命の輪』の2枚には人間が描かれていないのか?
それは、時の巡りというものは、根本的に人間の力など及ばない自然の摂理だからです。
転じて、これらのカードが出たときは、「あなたのせいじゃないよ。相手のせいでもない。時期が悪かったんだ。でも、ずっとそうじゃない。いい時も絶対に巡ってくる」という視点をぜひ取り入れてほしいなと思います。
恋人のカードと悪魔のカードの構図はそっくり
これはもう、「1枚ずつながめてみよう」の段階で気づいた方も多いのではないかと思いますが、恋人のカードと悪魔のカードはそっくりです。
恋人のカードに描かれている愛って、『エロス』なんですよね~。『アガペー』じゃない。欲望という意味で、悪魔のカードと紙一重。
両者は簡単に光にも闇にも転じると覚えていてください。
魔術師のカードには4スートが揃っている
【1 THE MAGICIAN(魔術師)】のカードは、78枚のカードで唯一、ソード(剣)、ワンド(棒)、カップ(聖杯)、ペンタクル(金貨)の4スートが全て描かれています。
愚者は0番。すなわち「無」を表します。本当の本当になにものにもとらわれない究極の自由、人ひとりの人生に留まらず、人類全体の歴史、星の、銀河の、宇宙の始まりから終わりといったものすごい莫大なエネルギー(お、スピリチュアルじみてきたぞ)みたいなものが描かれているため、人間の実質的な始まりはこの魔術師のカードなんです。
……わかりにくいな。
ええと、【0 THE FOOL(愚者)】はパッケージで、【1 THE MAGICIAN(魔術師)】は序章、みたいなかんじです。
愚者は
「生まれたての赤ちゃんは大統領にもテロリストにもなれるし、来世は花として咲き誇ることも神として宇宙を見守ることもできる」
といった宇宙規模の可能性。
魔術師は
「人ははじめからすべてを持ち合わせている。なにを選んでもいいし、度でもやり直せる」
のような、人生規模の可能性です。
伝わるかな?
愚者の背景の雪山を隠者が歩いている
UNIVERSAL WAITE TAROT/ Stuart R. Kaplan (Author), Pamela Colman Smith (Original Illust), Mary Hanson-Roberts (Illust) ©1992 U.S. Games Systems, Inc.
そうそう、前回は大アルカナの始まりである愚者のカードを眺めてみましたが、このカード、背景にものすごく険しい山脈が広がっていますよね。
これって隠者の足元の雪原と似ていませんか?
まずもうタロットに「0番」という概念があることが驚きなのですが、大アルカナの22枚に描かれている人物は、すべてこの愚者の生まれ変わりだという一説があります。
前述の通り、数秘術では1から9までの番号が一区切りです。
1から9までの番号は、人生の始まりから終わりを示すとも言われています。
9番のカードで、人生のあらゆる苦難を乗り越え、至るべき山頂に至っているというのはとても興味深いことです。これはぜひ覚えておいてください。
(大アルカナはその後【10 THE WHEEL of FORTUNE(運命の輪)】で転機を迎えます。そこから続くカードではより一層文明の気配が濃厚になっているというか、世界の仕組みが複雑化していると見て取れます)
死神のカードの背景には月のカードに描かれている塔が登場している
UNIVERSAL WAITE TAROT/ Stuart R. Kaplan (Author), Pamela Colman Smith (Original Illust), Mary Hanson-Roberts (Illust) ©1992 U.S. Games Systems, Inc.
あとハイこれ~。
いつもいつでもギョッとされる大アルカナ13番 死神(私は単純に死と呼んでいます)のカード~。
死神の前では老いも若きも身分も無意味です。王様、死んでるね。
救いを求める宗教人の姿がありますが、死神は目も合わせず全く話を聞いていません。祈りは届かないことでしょう。
お母さん、息絶えています。
子どもはどうかな。私には死神と子どもの目があっているように見えるので、助かる可能性があるとすればこの子だと思います。
さて、このカードの背景を見てください。
『13番 死』のカードの背景には、大アルカナ『18番 月』のカードに描かれている2本の塔が登場しているんです。
しかも登っているのは、なんと『月』ではなく『太陽』!
当たり前な物事の終わりとして『死』があり、その背景に『太陽』が登っている。
DEATHのカードが出ても、「わあ!こわいカードだもうダメだ~!」と、悲しみに暮れてしまわないで。
「古きを終わらせ、新しきを始めよう。想像しているよりもきっと素晴らしい明日になるから」
そんな温かいメッセージを、ぜひ感じ取ってくださいね。
次回予告
さて、複数枚のカードを眺めることで、だんだんカードの意味に厚みが出てきましたね。
こうして関連性を見つけ発想を広げてゆく練習をしておくと、タロットそのものへの理解が深まるだけではなく、実際にスプレッドを組んでタロットリーディングするときにもとっても役に立つんですよ。
次回は「逆位置について」です。
年内に書けるかな~。あけましておめでとうになるかもしれません。
先に言っておこう。みなさま、良いお年をお迎えくださいませ。浅野輝子でした。
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