タロットでの”相手の気持ち”の占い方 心構えと注意すべき点‐独学タロットちょっと寄り道

The Answer is Simple Oracle Cards / Sonia Choquette ©2009 Hay House Inc.

「相手の気持ちを知りたい」というご依頼はとても多いです。

teruru.meからご依頼くださるクライエントのみなさんは、まず「自分の現状を変えたい」「新しい見方をしたい」という主題を持っていて、一要素として相手の気持ちをお尋ねくださることがほとんどです。
うちは『自分自身を識るためのタロット』『自分の人生を生きるためのタロット』と謳っているからなあ。

一方、占いのお店に座っておりますと、半数くらいの方が片思いの相手や恋人や家族や会社の仲間「他者の気持ちを知りたい」と仰います。
とにかくそこが気になって仕方がない、という様子。
占いのお店というのは一種の駆け込み寺ですし、切羽詰まっているときは人間そうなるものですよね~。
「まずはおちついてね」というところからお話を始め、クライエントの事情を伺い、鑑定の方向性を提案するようにしています。

……いやあ~、それにしても正直知りたいよね! 相手の気持ち!
だって、それによって身の振り方が変わりますもん。

さて、根源的な疑問ですが、タロットカードで他者の気持ちはわかるものなのでしょうか?

先生によっては「できる」と仰ったり、「できない」と仰ったり、あるいは「私はしない」「おすすめしない」と立場を示すかもしれません。

「ハイヤーセルフが教えてくれる」「もともとはみんな宇宙の大きなエネルギーの一部だから」「集合的無意識でつながっている」と、具体的に説明なさる先生もいるかもしれませんね。
そのひとつひとつがその先生のこれまでの学びと経験から導き出されたとっても大切な結論なのだと思います!

私、浅野輝子の立場はというと、ううーん……。

現状、できてしまっている。でも理屈はわからない。
本当に相手がそう思っているか、証明もできない。

正直なところ、相手の気持ちを占うのってどうなんだろう?と思っていた時期もある。
でも、いまではタロットで相手の気持ちを占うこと自体は、アリだと思っている。
そしてこれはあくまでも現時点の結論で、もしかしたら今後変わることもあるかもしれない。

という感じです。

今日は、相手の気持ちをタロットで占うことについて、私の感じているところを述べたいと思います。

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浅野輝子とタロット占い

私は占いの根底に流れる理屈について、定義を持たないタイプの占い師です。

『ハイヤーセルフ』『宇宙のエネルギーの流れ』『集合的無意識へのアクセス』
どれも言わんとすることは、わかるんですよ。
「うんうん! めっちゃわかる! 科学的根拠はないけれど個人的な感覚では目に見えない謎の力があるように感じてる!」って毎度思う。

でもなあ、目に見えないもの、証明されていないものをあたかも”そうである”かのように語るのは、個人的には気が引ける。

今の私には、「ごめんなさい。ちゃんと説明できない。わからないんです」としか言えません。
頼りないですね。本当にごめんなさい。

だけどね。確かに存在しているけれど、私たち人間がまだそれを図る定規を持っていないもの、解明しきれていないもの がこの世にはたくさんあります。これは真実。

私が説明のつけられない不思議な結果に幾多数多と遭遇しているのも本当です。

クライエントが「相手の気持ちを知りたい」と仰ったときの私の対応

いつぞや、「子どもの進路が心配なんです」と仰る親御さんに「お子さんの意思を変えることはできないですよ」とお話して、“相手の気持ち” ではなく “どうサポートしてゆくべきか?”という鑑定に方向転換したエピソードを別の記事でお話しました。

クライエントが「相手の気持ちを知りたい」と仰るとき、私は

  • たとえ相手の気持ちを知っても、相手を変えることはできないということ
  • あくまでも自身の心の整理や、行動の指針にするしかできないこと

を予めお話するか、リーディングの過程で念押しするようにしています。

クライエントの希望がわからないときや、危ういなと感じたときは「それを知ることで、どうしたいと思っていますか?」と事前に尋ねています。
もしも「相手を変えたい」というご返答の場合には、上記をよ~くお伝えして、できるだけご納得いただくようにしています。

お話していて、「この方は相手を変えたいのではなく自分の道を定めたいのだな」と感じる場合は、なんにも言わず「わかりました」とタロットを広げています。

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相手の気持ちを占う行為は覗き見ではないか?という疑問

正直なところ、20年間鑑定を重ねるなかで「相手の気持ちを占う行為は覗き見ではないか?」と、迷った時期もありました。

しかし、疑問を抱えながらもクライエントのリクエストに応えて注意深く鑑定を行う期間を経て、
「どうやらタロットは、そもそも『教えてもいい範囲のこと』しか結果に出してこないようだぞ!?」と私は感じました。

ほんとにねえ、不思議なくらい、気持ち悪いくらいに、思い知らされる場面が数々あったんですよ。

差し支えなさそうな、昔々の小さなエピソードをお話ししましょう。
「彼の気持ちがわからない」と仰る学生さんの依頼を承ったときです。

カードのシャッフルしていると、バーンと戦車のカードが飛びだしました。
飛び出すことにも意味がありますから横にのけてシャッフルを続けようとしたのですが、バサバサとカードが散らばってゆきます。

一旦リセットし、シャッフルし直したのですが、やはり異様にカードが空気を含んで散らばってゆきます。
「おいおいゲームセンターのエアーホッケーかよ」という具合です。
こういうとき疑うべきは自分のコンディション。しかし自分の集中力が切れているようには感じません。
散らばってひっくり返っているのはまたまた戦車のカードです。それから女帝と、内約は覚えていませんがあと数枚。

「俺様タイプ……」
私がつぶやくと、クライエントと一緒に来ていたお友達から「きゃー!」「やばいやばいやばい」のような声が上がりました。
「……素直じゃない方なのではないでしょうか。それで、彼は心を見られたくないのだと思います。申し訳ないのだけど、このまま続けても、すごい極端な結果とかハチャメチャで読みにくいカードが出る可能性が高いです。方向性を変えるか、このまま続けるか、どうしましょうか(※ このパターンはときどきあります)」

「そうだと思います。そういうタイプです。それで困ってます。私のこと好きじゃなくて他に本命がいるんじゃないかと不安に思ってる……」

「女帝のカードが飛び出ています。いま飛んでいるカードで大アルカナは、彼を示す戦車と、この女帝だけ。彼はあなたを大事に思っています。この部分は、彼にとっては素直になれなくて示せない部分なんじゃないかと思います。それから…」

そんな風に鑑定は進んでゆきました。

これはかわいい方のエピソードで、他にえげつないエピソードがいくつもあるのですが、タロットにもし何らかの意志があるなら(なにを言っているんだろう私は)相当賢いのだろうと思います。

いま、この場で、必要なことを的確に出してきます。

そのため、相手が本当に知られたくない部分や、クライエントが知る必要のない部分については出ないのではないか?
「相手の気持ち」として出るタロットは、相手が日頃から示しているけれどクライエントが受け取れていない部分が表されるのであって、覗き見はそもそもできないのではないか?と私は考えています。

「たとえ相手の気持ちを知ることができても、相手を変えることはできない」

「相手の気持ちを占う行為は覗き見ではないか?」と私が迷っていた時期、相手の気持ちを知りたいと切羽詰まってお尋ねくださるクライエントに「それを知って、どうしたいと思っていますか?」と慎重に投げかけて過ごしてみました。
その結果、少なくとも私のところを訪れるクライエントのみなさまにおいては、「相手を変えてやろう」という目的を持つ方は殆どいらっしゃらいませんでした。

たとえ相手の気持ちを知ることができても相手を変えることができないのは大原則。
多くの方がよくわかっているんですよね……。
みんな、その先にある”自分の意識”や”行動”を変えるために、相手の気持ちを知りたいんです。

(余談ですが、相手の気持ちを知って相手を変えたいと望んでしまわれるケースの多くは「親子」です。プロの占い師を目指してこのページを読んでくださっている方は、親子関係における「相手の気持ちを知りたい」には十分に注意を払ってください)

そして、これまた説明のつけようがないのですが、クライエントの深いご事情やお相手のことを殆ど聞いていなくても、出たタロットから感じるままにお相手の気持ちをリーディングして伝えると、目の前のクライエントにとって非常にフィット感がある内容となっていて、クライエントの知る”その人”の思考の癖や事実に近いようだ、ということもわかってきました。
(これについては私はわかり得ないことなので「近いようだ」としか言えませんが……「その通りなんです」と仰ってときに驚かれ、ときに涙される眼の前のクライエントだけが私にとっては事実です)

それでもあえて相手の気持ちを占うことの有用性

うーーーーーん。
本当を言うと、たとえタロットで相手の気持ちを占うことが可能だとしても、タロットリーダーとは文字通り「読み取り手」ですから、一個人の主観が入る以上はどんな結果も憶測の域を出ません。

タロットで現された “相手の気持ち” が本当にそうであるかは、もう全く証明の術がないです。

でもね、悩みの渦中にある “本人の想像” には偏りがあるんですよ。

たとえば、
「相手は今でも思ってくれているに違いない」
「自分に見せてくれたあの態度は真心であったはずだ」
「相手はすっかり自分を忘れてしまっているに違いない」
「自分はもう嫌われてしまっているだろう」
みたいなね。

真剣深刻であるがゆえに、クライエントは現状を正確に捉えきれずにいる。
0か100かのような、極端な発想になってしまっている。

そこにタロットとタロットリーダーを介した新たな憶測(視点)を得ると、思考のバイアスが解れ、物の見方を変えられるわけです。

これは一人でウーンウーンと悩んで夜も眠れずご飯も喉を通らない状態が続くより、きっといいことだと私は思うんです。

そういうわけで私は、「タロットで相手の気持ちがわかるか?」という真偽そのものよりも、憶測を得たのちに発生する”クライエントの変化”こそが重要と考えて、『相手の気持ち』についての鑑定を行っています。

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セルフタロットで相手の気持ちを占うコツ

「相手の気持ち」を占うとき。
タロットリーダーが第三者の立場ならば、出たタロットから感じるままにリーディングするのが一番誠実だと思います。

自分は悩みの渦中、当事者の立場で、セルフタロットで誰かの気持ちを占いたい、という人も多いかもしれませんね。

私も復縁を望んでいたときは、彼(現在の夫です)の気持ちがしょっちゅう気になりました。
……が、実際に占ったのは、たしか2回だけです。

それも、あえて相手の気持ちではなく、ケルト十字スプレッドで自身の恋愛の現状と未来と対策についてヒントを得るための占いにしました。
(その話はまたいつか詳しくしましょうね……自分のことなので詳しく話せるし)

まず、自分自身の抱えている悩み、課題について占うのは、他人のことを占うよりも難しいです。

なぜなら、良い結果なら極端に良く受け止めてしまったり、悪い結果なら極端に悪く受け止めてしまったりするから。

相手の気持ちについての占いは現状を見つめ直したり心の整理をつけて自らの足で前に進む上で有用ではありますが、一喜一憂するためにタロットを展開するのは好ましくありませんよね……。
占いに振り回されちゃうってことですからね……。

でもねえ、人間っていうのは、そういうのをやってしまうかわいらしい生き物なんですよ!
これはもうしょうがない!!
だから可能であれば、第三者に占ってもらうことをおすすめします。
そのほうが役に立つ何かを得やすいと思います。

それでも自分でやるならば、次のことに注意してみてください。

相手の気持ちについてセルフで占うときのコツ
  • セルフ占い、特に相手の気持ちに関する占いは、結果を極端にとらえて一喜一憂する状態に陥りやすく、特に難しいと肝に銘じておく
  • できれば1~3枚ではなく、5~10枚のタロット展開をする(枚数が少ないと、結果を極端にとらえる原因になる)
  • 変えられない相手の気持ちよりも、「事態を好転させるために自分がなにをすべきか」「現状を変えられる自分になるために、今なにが必要か」のほうがうんと大事だと心得た上で行う

「あ、いまこれ、自分アカンやつやん?」と気づくことができれば、軌道は修正できます。

また、セルフ占いをやってみた結果一喜一憂する状態に陥ってしまったときは、信頼できる友達、完全完璧な第三者たる街の占い師などにぜひ話を聞いてもらうようにしてください。

これは、カウンセリングの用語で『リファー』と言って、「この件は自分の力の及ばぬ範囲だ」と感じたときに、無理をしてドツボにはまらないためにとても大切なことです。

まとめと次回予告

過去、「これは覗き見行為でよくないことでは?」と思った時期があったように、これはあくまでも現時点での私の結論です。
もしかしたら今後、変わることもあるかもしれません。

本当に何度も申しますが、
他人は変えられない。「事態を好転させるために自分がなにをすべきか」「現状を変えられる自分になるために、今なにが必要か」のほうがうんと大事。
だけどタロットを通じて相手の気持ちの言語化を試み、新たな憶測を得ることは、現状を見つめ直したり心の整理をつけて自らの足で前に進むことに繋がるという点で有用性がある。

クライエントを占うにしても、自分で占うにしても、とても大事なことだと思います。

こういった意見もあると受け止めた上で別の考えを持つ方も当然いらっしゃることと思いますが、少しでも自分の占いのスタンスを見つめるきっかけになったり、参考になる所があればうれしく思います。

よーし、次回は「あの人はどう思っているんだろう……」相手の気持ちに寄り添う
北斗七星スプレッド(7枚展開)について解説したいと思います!

北斗七星スプレッドについて書く前に、この話は絶対しておかなきゃと思ったの。
ここまでお読みいただきありがとうございました。浅野輝子でした。

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