こんにちは!占い師の浅野輝子です。
これまで十数回に渡り独学でタロット占いを習得する方法についてお話してまいりました。
のちのちスプレッドやカード解説など増やすかもしれませんが、近年「占い師になりたい」「知人に占い師はどうかと勧められた」というお問い合わせが増えていますので、ここでひとつタロットからは離れまして、占い師になりたい方向けのお話をしてみたいと思います。
占い師は自分自身が商材です。
ものづくりとは違って在庫を抱えない商売ですから起業しやすい一方、自分を安定した商品として整えお客様に購入してもらわねばならないシビアさがあります。
決して甘くはない……と抑えておかねばなりませんが、怖気づかなくても大丈夫。
人生のすべてが物を言う仕事ですから、誰もが唯一無二の占い師となれますよ!
他の仕事と同様に楽しいことばかりではないけれど、人を支え、人に感謝される、とてもやりがいのあるお仕事です。
私、浅野輝子は、占い師になりたい人を心から応援いたします。
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もくじ
占い師は占いの前に人の話を聞く仕事である
みなさん身近すぎてお気づきでないかもしれませんが、実は日本人はめちゃくちゃ占い好きです。
私たちが日頃利用するネット、雑誌、テレビなどの媒体には、占いが当然のようにくっついてきます。
一部の人の趣味として存在するのではなく、万人が日常的に占いに触れているなんて冷静に考えると異常な気がしませんか?
どうしてこんなことになっとるんやろか……と考えてみたのですが、占いはエンタメ性と、なんかどうにかなりそうな雰囲気と、それからとにかく受容力がすごいんですよね。
例えるならクラスの明るくて穏やかで話をすればむっちゃ親身になって聞いてくれて秘密を守ってくれる友達みたいな。
おいおい、それはもはや超人ではないのか???
そう、求められているのは超人的なナニカです。
でも実際にはそんなやつはおらんわけですよ。
友達に話を聞いてもらうのだって気を使うし、同じコミュニティの話だったら言いづらいことも出てきます。
また、話を聞いてもらうだけでは解決しないことだって多々ありますよね。
私たちが抱える日々の問題に対処するには
- なんでも話せる人
- “なんでも話せる人”にすら話せないことを話せる人
- 行政等の公的支援
の3つが必要!!!
そして今の社会は疲弊している上に「“なんでも話せる人”にすら話せないことを話せる人」が圧倒的に足りていません。
(ちなみに公的支援も足りてないと思う)
海外では思考を整理するために定期的にカウンセリングに通う習慣を持つ地域もあると聞きますが日本ではまだまだ一般的ではないですし、協会に通って懺悔室で自身の行いを振り返り許しを得る習慣もありません。
それら代替として、私たちの身近に存在しているのが“占い”です。
占いというツールを通じて未来について話すのも大事ですが、その前にまず、みんな“話を聞いてくれる相手”を探しているのです。
私は玉石混交であれ、善き占い師の数も増えるのなら、それは良いことではないかと考えています。
そして善き占い師とは、当てることでラポール形成(信用の確立)を早め、相手の話したいことを引き出し、ともに問題を整理するパートナーとして存在し、相談者の自己受容や問題の解決の手助けをするものだと思います。
占い師の数が増えている
クラウドソーシング等で簡単にスキルの売り買いができるようになり、占い師として活動する方がとっても多くなりました。
私たちが外食するとき。美容室を選ぶとき。歯医者さんを探すとき。
数ある選択肢の中から、自分の希望を叶えてくれそうなお店を探しますよね。
占い業界もそのような形へと近づいてきています。
たくさんの占い師さんがいて、いろんな考え方・やり方があります。
占い師同士。占い師とクライアント。それぞれ違う人間ですから、相性もあります。
ときには相反する考え方に物申したくなるかもしれません。
しかし、モラルに反してさえいなければ、大抵のものは間違いではありません。
そもそもこの世のものは白黒に二分できるものではなく、白と黒の間の8割はグレーのグラデーションなのです。
自分と違うものを理解できなくても、存在を認めることはできる。
スルー&共存。
私もOK、あなたもOK。
OK牧場の精神でいましょう!(OK牧場は本当に存在する心理学用語です)
(仮に「他の考え方は断じて認めない!滅殺!!」みたいな主義の人がいたとしても、そんな世界征服は叶いっこないのですから、リングに上がってゴングを鳴らす必要はありません。)
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占い師になるには?
ご存知のかたも多いでしょうが、占い師に資格はありません!!!
言い方が悪いですが、名乗れば誰でも『占い師』になれます。
しかしその先には玉石混交かつ実力主義の世界が広がっています。
参入障壁が低い分、すぐに辞めてしまう方も多いです。
「思い立ったから看板を上げる」では続けにくいので、勉強期間は最低でも半年~1年程度あったほうがいいんじゃないかな。
一昔前は、「命・卜・相、各一種類以上の占術を習得してこそ占い師」という考え方がありました。
相談者様の質問によって占術を使い分けられるので私としてもおすすめですが、占い師自体が増えネットで容易にコンタクトを取れるようになった昨今では相談者が予め占い師を選びますから、さほど意識しなくてもいいかな、と感じます。それよりも傾聴スキルの方が大事かなあと。
また、“学び”は知識と実践の両輪から成ります。
本を読む、講座を受けるなどでインプット期間を経たら、座学に加え実践を取り入れましょう。
「駆け出しの占い師です。占わせてください」と、掲示板やSNSで募る、クラウドソーシングサイトに安価で出品してみる、などの試みをおすすめします。
占い師よりも少し広義ですが、セラピー業界を指して、“セッション100人の壁がある”と唱えた方がいます。
挫折する人はだいたい、100人のセッション(依頼)をこなす前に去ってしまうのですって。
確かに。
自身を振り返ると、100人くらい依頼を受けてみてはじめて、
「自分のスタイルにはこういう良い特徴や悪いクセがあるな。こういうお客様が多くて、中でも満足してもらいやすい案件はこの方面だな」
などの傾向が見えてきたように思います。
頭の片隅に置いておいて、ひとつの目安にしてもいいかもしれませんね。
自分の内面にも目を向けてみて
勉強中は占術のみに留まらず、様々な分野に目を向ける必要があります。
外側だけじゃなくて、自分はなにをしたいのだろうか?と内側に目を向けるのも大事です。
「人を元気にしたい!」と思って占い師を志したけれど、その実、自分が元気になりたいのだ、というケースもあります。
大前提として心に傷のない人などいませんし、それで占い師の適性が決まることはないです。
人のなかで得た傷は、人のなかで癒えるもの。
傷を抱える占い師と傷を抱えるクライエントが手を取り合って、次第に元気になってゆくパターンも多いのは確かです。
しかし、自身の心の傷に対してある程度の自覚がないと、
- クライエントに自己投影しコントロールしようとしてしまう
- 思い込みで進めようとしてしまう
- 依存してしまう
などの悲劇に繋がる可能性があります。
よくよく自分と向き合い、場合によっては一旦クライエント側に徹することも視野に入れつつ、自身の状態を見極めてから看板を上げてほしいな、と思います。
占いの館に務めるか クラウドソーシングか はたまた個人か
これはね~~~~~~~~~~~~どれがいいかは、人によるし、店による!!!
まっったく、一概に言えません。
占いの館に所属する
占いの館に所属するメリットは、お店の信用や宣伝力をお借りし、無名でもお客さんがつきやすいことです。
それから困った時にお店や所属の先生方と連携を取れることもすごく大きなメリットです!
相談内容によっては、易の方がいいな、四柱推命の方がニーズに合うな、ということがあります。その場合、他の占術に長けた先生をその場でご紹介できます。
また、ほんとのほんとに犯罪や命に関わるかもしれない案件(個人情報保護の例外に当たるケース)は、オーナーに伝えるなどして、自分ひとりで抱え込まず複数名で対処の検討が可能です。
ちなみに、時折「〇〇先生にも同じように言われたんです!」とおっしゃるお客様がおられますが、たとえ同じ占いの館に所属の鑑定士であっても業務上知り得たお客様の個人情報や依頼内容、その結果を共有することはありません。
占いの館に所属するデメリットは拘束時間が長いことです。
昼以降、特に夕方から夜が立て込むので、自然とそうなってしまいます。
なお、お店のお客様を個人運営含め別のお店に誘導するのはマナー違反です。
(請負契約を締結する際に禁じられていることがほとんどじゃないんかな)
クラウドソーシングサイトに登録する
クラウドソーシングサイトは、私は経験がありませんので身の回りで聞く話を元に書きますね。
メリットは、とにかく敷居が低いことです。
webサイト構築のノウハウもいりませんし、サイト側で新規登録者を推薦する仕組みも整っています。
まずはクラウドソーシングサイトへ出品して活動なさる方、LINE占いなどに登録なさる方が近年とても多いです。
しかしながら「疲れた」「辞めたい」という声を多く聞くのもこの類……
うーん、うーーん……
言いにくいのですが、出品者も購入者も気軽すぎるのかもしれません……。
でも、辞めたくなったら経費の損切りも一定期間の待ちもなく、すぐに辞められるのもまたクラウドソーシングならではだと思います。
個人、店舗所属ではそうは行きません。
ところで、クラウドソーシングサイトから個人のサイトへお客さんを誘導するのってありなんかなどうなんかなと先程調べてみたのですが、規約として禁じられているようですね。そりゃそうか。
個人で運営する
私はネットの普及していない時代に占いを始めて、浅はかなことですが自覚のないままに口コミでずるずるっときてしまい、途中で腹をくくって占い師と肩書をつけ個人サイトを立ち上げました。
一人に一台携帯電話を持つようになるかならないかという時代だったが故のルーツなので、今の時代だと参考にならないとは思う。なのになぜそんな話をするのか?
“狙う”にしろ“たまたま”にしろ、そういう、なんちゅーの、時代の風??に乗るのが大事だからだよ!!!!
2019年現在は、ココナラやLINE占いに登録して知名度を上げつつアメブロ書いて個人運営へ結びつける流れが正攻法ですが、飽和していて傍から見ていても正直ギッリギリだと感じます。
新しい風をつかもうな!!!!
えー、個人で活動するメリットは、すべてが自分の采配でできることです。
デメリットは……あんまり思いつきませんが、私生活とのオンオフをつけにくいのは確かです。
休みを休みとして過ごせるよう工夫しましょう。
私は休みの日や営業時刻についてしっかり告知するよう心がけています。
悩みを抱える人が心細くなるのは夜中だと重々承知してはいるのですが、夜中のお電話に応じていると健康を保つのが難しいと感じたので、今ではお仕事用の電話回線は夜間電源を落とすようになりました。
それから、デメリットとはちょっと違うのだけれど、個人での運営は人によって向き不向きはあるかもしれないな、と感じています。
ダラけ。請負すぎ。どちらに対しても強い自制心が必要です。
いろんなことを自分でしなければならないので、う~っすらとした器用さが求められます。
けっきょくどれがええねや
アカンかったらやめたらええねや!
ピンと来たところ飛び込んでみよ!
直感を信じる練習や!!!
そうそう。
ときどき、占いの館やクラウドソーシングのマージン(25%~50%)が高い、とお嘆きの方を目にするのだけど、個人的には妥当だと感じます。
場所代、システム費用、保守費、人件費、受付手続き、広告費、などを丸投げor一部簡略化して、自身は占いだけに注力できるって、とってもすごいことなんですよ。
納得がいかない場合は、それらすべて個人で責任を持ち頑張りましょう。
案外やってみたらできちゃうかもしれないぞ!✨
アカンかったら別の方法試したらええねや!!!
成功者=たくさん転んだ人や!!!!!
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金額の設定をどうするか
飲食店や美容院と一緒です。値段の設定は自由です。
しいて言えば、自分はどんなスタイルの占い師なのか(顧客は誰で、どのような価値を提供するのか)が定まれば、ある程度の目星がつくのではないかな。
ちなみに私の場合、タロットやスピリチュアルが大好きというわけではないけど困ったときに「カウンセリング」よりも「占い」が頭に浮かぶ 人たち(潜在ニーズ) の掘り起こしをしたい思いが強くあります。
はじめにも話しましたが、社会が疲弊し、人のつながりが家族や地域という単位ではなく個と個になり、「“なんでも話せる人”にすら話せないことを話せる人」がマジで足りていないのでそこをどうにかしたい。
ひとりきりで悩んでいる人の目に留まりたい。
気軽に利用できる金額で、継続的に利用しやすい環境を整えたい。
そのため、ご提供している内容はもっと高く設定しているところと遜色ないと自負していますが、低めの値段を設定しています。
(金額の設定は、この仕事での目標や自身の生活や実際のコストや提供内容にどう落とし所をつけるかなど考え出すと、正直いまだ悩みます……)
考え方は本当に様々です。
例えば、私は歴が長いだけにタロットのリーディングで行き詰まることはありませんし文章を書くのが早いです。
これをスキル(売り込みポイント)とみなし、価格を高く設定するのもひとつの正解です。
それとは真逆で、「所要時間が短い分、安価で提供しよう」と考えても話の筋は通っているし、やっぱり正解。
占いのコンサルさんが書いたブログ記事で「あなたは月にいくらの収入がほしいですか?一日にどのくらいの仕事ができますか?そこから逆算しましょう」という一節を見たことがあります。
「収入ありきの設定!?その発想はなかったわ!」と初めはびっくりしましたが、これもまた間違いじゃないと思います。
占者に心のゆとりがあったほうが良い相談になりやすいのは確かです。
……ンー。ただねえ、ひとつ参考になる目安として、
臨床心理士や弁護士など専門職の面談の相場は30分5000円です。
私自身も、知り合いの先生方も、だいたいこのあたり……というか一昔前はこれがスタンダードでした。
今日日のアメブロ・facebook界隈を中心とした価格高騰、講座、コンサル乱立は、見ていて少し心配になります。
自分が利用する側だとしたら……そうだなあ。
1時間3万円などの値段がついている場合、その人のサービスの需要曲線と供給曲線の交点がそこなんか、それとも高い金額を設定しないとビジネスとして成り立たない=何らかの要素が足りていないのか、ちょっと考えちゃうな……。
そしてその人のバックグラウンドに愛はあるか、善意に基づいているか、妥当性はあるか、プロであるかなどをよく見て利用検討する、かな……。
とはいえね、ユーザーがついてくるならそれが真実ではありますね……!
自分はこの職を通じて何をしたいのか? 自分の望みとは?
己とよく向き合って、頑張って決めましょう!!!
なお、15歳前後のころ無償で占いをしていて尽くしすぎた経験から、無償での提供はあまり賛成しません。
(もちろんそういう信念を持った方も、居て然りですが)
占い師は、自分の人生の大切な時間を宛てて相手のお話を聞きするお仕事。そして人生の時間は有限です。
占者と依頼者が互いに無責任にならないためにも、たとえキャリアが浅くとも最低賃金を下回らない設定の検討をおすすめします。
占い師になりたいのに自信が持てないあなたへ
ロールモデルを探し広く眺めてみると、業界には目立つ人・目立たぬ人、歴の長い人・浅い人がいるのに気付くと思います。
ネット社会の難点は、見えすぎることですよね~……。
(私はネットのない時代に占い師を始めたので……生まれたときから携帯やLINEが存在する世代を眺めるような気持ちになります……)
占い師になろうと志したのに高みの人が目について
「ファー、自分のような未熟者があえてやらんでもいいのでは~~~???」
と、自信喪失する瞬間もあるかもしれません。
そんなときは、タロットカード小アルカナ ワンド(棒)の1 2 3を思い出してください。
UNIVERSAL WAITE TAROT / Stuart R. Kaplan (Author), Pamela Colman Smith (Original Illust), Mary Hanson-Roberts (Illust) ©1992 U.S. Games Systems, Inc.
ワンド(棒)はタロットにおいて、唯一燃えるもの。情熱のスートです。
そして、人間関係の発展なども象徴します。
自分よりも先に旅立ち、航海する船が見えます。
羨望の眼差しを送りながら、自分がひどく出遅れているように感じるかもしれない。
しかし旅する理由はみな様々で、目的地もそれぞれ異なります。
遠くの海よりも、自分自身に目を向けましょう。
他の誰でもなく、あなたの手の中に地図はある。
目的地へ向けて歩き出すための足と、杖がある。
あなたはあなたの旅する理由、目的、タイミングを大切にしてくださいね💕✨
次回予告
今回は占い師になるにはシリーズの第一回として、まずは占い師になりたい方向けにお手紙をしたためるような気持ちで記事を書きました。
ホントはね、今日は法令について記事を書こうと思っていたんだよ!!!
でもなにせここまでで6000字を超えちゃったからね!!!!
- ときどきお金をもらうこともある程度なのだけど、これって雑収入でいいの?
- ひとまず副業のつもりなんだけど開業って形にしなきゃだめ?
- 特商法は絶対に表記しなきゃだめ? 名前や住所をネットに書くのは抵抗が……
- 占いの依頼を引き受ける時にどんなことに注意すればいいの?
- そもそもタロットは商用利用していいの?
など、次回は『占い師を名乗ろうとする方が直面する法令について』ざ~っくりとお話します。
知らないことには注意を向けられませんから、まずはざっくりと抑えましょう。
必要が生じたら、調べる。専門家に尋ねる(税務署で聞いてみるなど)で対応可能ですから大丈夫ですよ~。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
浅野輝子でした。
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